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徳田吉美さんの漆蒔(うるしまき)と銀彩のカップです。
上直径 7cm
下直径 5cm
高さ 6cm
漆蒔は、陶器の上絵付けの技法の一つです。
陶器の絵付けには、上絵のほかに下絵、イングレーズがありますが、上絵が最も焼成温度が低いため、鮮やかな色彩を表現することができます。
その上絵の中でも、漆蒔は深みのある艶やかな色が出る技法です。
漆蒔は、花を描くというものには適しておらず、一定の面積に均一に絵の具を乗せる技法です。そのため、幾何学的な模様が適していて、陶器の白地に深みのある色彩の線や図形のデザインが、とても美しく映えます。
この徳田さんのカップは、漆蒔の良さが最もよく表現されているものです。
さらに、漆蒔の黄と銀彩のバランスがとてもきれいで、どことなくレトロな雰囲気も魅力です。
漆蒔という技法は、徳田さんの器以外では、ほとんど見かけることはありません。
大倉陶園という有名な食器メーカーが漆蒔の食器をつくっていますが、高価で、数も限られています。
漆蒔の深い色彩を、一度見てほしいです。
〈漆蒔の工程〉
・上絵付されていない白い陶器の表面に、デザインに合わせて、テレピンでうすめた「漆」をぬります。
・漆をある程度乾かしてから、上から粉の絵具をまぶします。漆が「のり」となって、絵の具を定着させます。
・そのあと、800度前後で焼成すると、漆は燃えてなくなり、絵具だけが溶けて完成します。
徳田さんのこのカップの場合は、銀彩のために、もう一度、少し低い温度で焼成する必要があります。
※ 電子レンジ、食洗器は避けてください。
漆蒔を継承する現代作家 徳田吉美
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